ノドグロの旬はいつ?高級魚である理由や主な産地、調理方法を紹介

ノドグロ

ノドグロは白身魚でありながら脂肪量が多く、「白身のトロ」と呼ばれる程の旨みを持つ高級魚。
年間通して食べられますが、特においしく食べられる時期や産地が気になる人もいるのではないでしょうか。

ここでは、ノドグロの特徴や旬、主な産地などをご紹介します。
ノドグロをおいしく食べるために知っておきたい調理方法についても見ていきましょう。

ノドグロとはどういう魚?どうして高級なの?

ノドグロの正式名称は「アカムツ(赤鯥)」。
赤い体色が特徴的ですが、口の中を見ると喉が黒いことから、北陸・山陰地方で「ノドグロ」と呼ばれ始めました。
知名度が高まるにつれてノドグロが通称となり、現在では正式名称のアカムツよりも有名な呼び名となっています。

ノドグロは白身魚でありながら、脂肪量が多いのが特徴。
これは、水深深くに生息し、脂肪を多く蓄えているためとも考えられています。

また、ノドグロが高級魚として扱われているのは、水揚げ量が少なく、年によって漁獲量も変動するため。
漁獲方法はさまざまで、沖合底引き網や小型底引き網、はえ縄といった方法で水揚げされています。

店先のノドグロ

ノドグロの旬

ノドグロは通年水揚げされ、いつでも脂のりが良いことから、時期を問わずいつでもおいしいといえます。
そのため、一概に旬を断定することは難しいですが、一般的には夏から秋を旬とする説と、秋から冬を旬とする説があります。

夏から秋を旬とする説

ノドグロは夏から秋にかけて産卵期を迎えます。
産卵へ向けて食欲旺盛になり体に脂を蓄えるため、通常よりもおいしくなると考えられているようです。

秋から冬を旬とする説

秋から冬の時期は海水温度が大きく下がります。
深海魚のノドグロは寒さに耐えるために脂肪を蓄える上、冷たい海水によって身が締まるため、よりおいしくなるという説もあるようです。

ノドグロの産地

ここからは、ノドグロの主な産地別に、有名な漁獲地や時期について見ていきましょう。
漁獲地は、主に日本海側、特に西部での漁獲量が全体の80%以上を占めています。

ノドグロ(アカムツ)の都道府県別漁獲量(2019年)

ノドグロ(アカムツ)の都道府県別漁獲量(2019年)

国立研究開発法人水産研究・教育機構「令和2(2020)年度アカムツ日本海系群の資源評価

山口県

山口県は、日本有数のノドグロの生産地です。
2019年の日本国内全体のノドグロの漁獲量が1,613tであるのに対して、山口県だけで652tを占めました。

主な漁場は萩市見島西方沖で、下関漁港で水揚げされており、旬は9~11月といわれています。

島根県

島根県は、山口県と並んでノドグロの漁獲量が多い地域。
2019年における島根県のノドグロの漁獲量は、山口県に次ぐ591tとなっています。

島根県沖の浜田市や大田市が主な漁獲地で、9~12月が旬。
ノドグロを市の魚に指定している浜田市では、8~5月に水揚げされる80kg以上の鮮度の良いものを「どんちっちノドグロ」というブランド名で出荷しています。

兵庫県

兵庫県では主に、香住漁港や柴山港でノドグロが水揚げされています。
底引き網による漁獲は秋と春にピークを迎える一方で、沿岸漁業による漁獲は8~11月に行われています。

鳥取県

鳥取県では主に境港、賀露港、網代港などの漁港でノドグロが水揚げされています。
ノドグロの漁獲量は変動しつつも増加傾向にあるといわれており、旬は9~10月です。

石川県

石川県では輪島沖がノドグロの主漁場となっており、輪島市の漁獲量が県全体の70%を占めています。
石川県では年間通してノドグロが漁獲されていますが、春から秋に特に漁獲量が増える傾向があります。

新潟県

新潟県では、糸魚川市や中越地区、村上市、新潟市などでノドグロが多く水揚げされています。
産卵期にかかる7~9月が、新潟県におけるノドグロの旬とされています。

ノドグロのおいしい食べ方

ノドグロは味に癖がなく、さまざまな調理方法を楽しめる魚です。
ここでは、ノドグロのおいしい食べ方を、主な調理方法別にご紹介します。

干物

ノドグロの干物

ノドグロは脂のりが良いため、干物にしてもふっくらジューシーに仕上がります。

干物は天日干しと一夜干しで食感や味が異なりますが、ノドグロの場合は一夜干しが良いとされています。
一夜干しにすると脂のおいしさを維持しつつ適度に水分が抜け、本来の旨みが引き出されるためです。

刺身・寿司

ノドグロの刺身

産地で食べる新鮮なノドグロは、刺身や寿司で食べるのが醍醐味。
刺身や寿司にする場合は、皮目を炙ると香ばしさが出て甘味が引き立ちます。
レモンや大葉を添えるのもおすすめです。

塩焼き

ノドグロの塩焼き

ノドグロを塩焼きにすると、焼くことで皮から染み出す脂を香ばしい風味とともに味わえます。
脂によって白身がしっとりしており、口の中でほろほろとほぐれます。

煮付け

ノドグロの煮付け

ノドグロを秋頃に食べる場合は、煮付けもぴったり。
夏から秋にかけて産卵期を迎えるため、甘辛いタレで煮付けると卵と脂がのったやわらかい身の両方を楽しめます。

ノドグロが特においしい時期を狙って味わおう!

ノドグロは年間通して食べられますが、今回ご紹介したように産地によっておいしい時期は変わります。
そのため、購入する際は、気になる産地のノドグロの旬を確認してみるのがおすすめです。
調理方法によって異なる味わいや食感を楽しめるのもノドグロの魅力ですので、さまざまな食べ方をお試しください。

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